目黒医院 総合管理医療臨床研究所



治療方針



治療方針:原則として将来のQOLを考慮した治療を基本とします。

(1)予防治療
50歳未満:加齢疾患予防期
50〜65歳:加齢進行期
65〜80歳:加齢疾患治療期
80歳以上:order madeの総合管理期

(2)綜合管理医療
1、動脈硬化・骨粗鬆症を中心とした疾患の全身的把握、分析、


予防治療
2、予防治療における総合管理医療


1)薬だけでなく、生活習慣、運動等も含めた総合管理の必要性


2)複数疾患における薬の総合管理の必要性


3)薬、食事に市販薬まで加えた飲み合わせの総合管理の必要性

(1)予防治療
予防治療という言葉は目黒医院の治療方針を表す言葉として、今回作成した言葉ですが、加齢変化は人間誰でも起こるものと言うことを基本にした概念です。実際には、加齢変化に大きく影響する動脈硬化と骨粗鬆症の個々の現状を診断し、その促進因子(生活習慣病、ストレス等)を分析治療し、さらにその進行により生じる合併症(脳梗塞、心筋梗塞、骨折等)を予防する為の治療を行います。予防治療の方法は年齢、性別により異ります。また各自の老化度によっても変わります。

「50歳未満」
女性


閉経後急速に起こる骨量低下に備え、骨密度を測定し、現在の骨量を把握した上で、骨量の低下を予防します。(運動、食事療法が主となります)
男女


動脈硬化に影響する各自の要因をチェックして、食事、運動、生活習慣の改善等で動脈硬化の進行を予防します。疾患として現れている生活習慣病は積極的に治療し、改善を図ります。
「50〜65歳」

男女共、加齢変化の予兆、疾患が一番現れる時期で、この間にきちっとした予防治療を習慣づければ、80歳まで元気で過ごせる可能性が高くなります。
女性


骨粗鬆症が急速に進行する時期であり、半年から一年毎に骨密度の検査を行い、将来起こりうる骨折に備え、状態に合わせた方法で骨量減少を防ぎます(ホルモン療法も考慮する時期)。また、50肩、膝・腰痛等加齢による骨の変化による症状が出てくる時期で、早めの治療と予防で痛みを慢性化させない事が重要な時期です。(神経ブロック、運動等)
男女


動脈硬化の進行が急速に見られる時期で、積極的に予防治療を行うとともに、動脈硬化の合併症のチェックと予防を図る事が重要な時です。
「65〜80歳」
女性


骨量の減少が骨折を引き起こしやすくなる時期です。半年から一年ごとの骨量チェックと積極的な治療薬使用を行い、骨折防止を図る事が重要となります。動脈硬化が女性で急速に進行してくる時期で、女性も動脈硬化性疾患に、十分な注意が必要になる時期です。
男女


動脈硬化の原因となる各生活習慣病、及び動脈硬化の合併症も顕著に見られてくる時期。生活習慣病は各種重なり合って見られることが多く、それらの疾患を身体全体のバランスを量りながら治療する必要性が高まる時期です。
「80歳以上」

生理学的年齢に個人差が非常に強く見られてきますので、各自の加齢変化に合わせた予防治療が重要となります。しかし、一般的には、男女とも動脈硬化の合併症の予兆把握と予防が重要となる時期です。そして、疾患として現れているものは全身のバランスの中で治療する事が重要です。さらに、骨折の防止が必須の時期で転倒防止のための環境整備が必要となり、骨量の低い人は治療薬の積極的使用が重要となります。

(2)総合管理医療
動脈硬化と骨粗鬆症を中心に、常に全身的に患者状態を把握しながら治療することを原則とする医療です。年をとればとるほど、沢山の病気が絡んできて、各病気のバランスを保ちながらの治療が重要となります。しかし加齢疾患の表現は様々でも、原因疾患はそれほど多いものではありません。疾患の全身的把握、分析から、予防治療すべきいくつかの疾患を見出し対処する事が重要となります。総合管理医療の考え方は予防治療においても重要となります。予防治療では、薬だけでなく食事・生活習慣・運動・サプリメント・漢方と、様々の方法を考慮した総合管理の必要性が第1に挙げられます。2番目には複合疾患を有する患者さんの、治療薬の選択に関する総合管理の必要性が挙げられます。例えば、薬の種類によっては、心臓や目の薬が呼吸疾患に影響しますし、この逆もあります。加齢と共に病気が増えると、各疾患で処方された薬剤の総合管理が非常に重要となってきます。3番目には広義における薬の飲み合わせにおける総合管理の必要性です。薬と食事の飲み合わせは古くから言われていますが、最近では市販薬・サプリメント等を個人が自由に買える時代になり、薬の飲み合わせの危険は増えています。多義にわたる疾患、それらへの治療薬のみならず、個人で選択した治療薬も含めた総合管理が必要な時代になったものと考え、それらへの対応も行わなければならないと思っています。

終わりに
人間、いつかは生を終わりにしなくてはなりません。その時まで、出来るだけ長く人間として歩き、考え、笑い生きていければと思います。現在寝たきりになってからの支援はかなり行われております。しかし、寝たきりの老後は本人がつまらないだけでなく、5年から10年後には保険診療が破綻することは目に見えています。しかし、そのための民間導入は、医療が営利目的に使われる結果となり、決して好ましい方法とは思われません。現在の健康保険は疾病保険として使われていますが、予防医療を認めれば、今後寝たきりの患者さんをかなり少なく出来ることと思われます。2年間の準備期間を経ての開業ですが、まだまだ試行錯誤の毎日です。これから先は患者さん達と一緒に作り上げていきたいと思います。また、当院のデーターは全て目黒医院のサーバーに保存しています。そして、患者さんご本人、或いは他院からの要望により、いつでも全ての情報をお渡しできます。けれど、現時点において、インターネットでの情報のsecurityに関して、私自身まだ信用していませんので、情報提供はフロッピー或いは印刷とさせていただきます。尚、予防治療、総合管理医療の言葉の定義、及びその内容は全て目黒の意見であり、公式の言葉でないことをお断りしておきます。